過去から未来へ

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病院を後にすると、日葵は澄んだ空気を大きく吸いこんだ。そんな日葵の隣を歩いていた香織は苦笑しつつ日葵に声を掛ける。 「ごめんね、日葵ちゃんも疲れたでしょ。ゆっくり休んで。とんだクリスマスイブになっちゃったわね」 香織の言葉に今日がクリスマスイブだったことを日葵は思い出す。 「そんなことないですよ」 確かにいろいろなことがあったクリスマスだったが、ようやく自分の気持ちに気づくことができ、長年の辛かった日々から解き放たれた気がした。
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