2737人が本棚に入れています
本棚に追加
「チーフ……」
いつのまにかフロアには誰もおらず、壮一と二人きりな事に気づき、日葵はドキッとしてしまう。
フロアに二人のことなんて何度もあったが、前とは違ったドキドキが日葵をおそう。
「終わった?」
「はい」
ジッと壮一を見れば、その瞳に自分が映り日葵は羞恥から視線を外してしまう。それをさせないと言わんばかりに、壮一の瞳が日葵を追う。
「あの日からゆっくり日葵といられなかったから。今日は一緒にいよう」
その言葉に、更に日葵の心臓は早く音を立てる。「うん……」そう返事をしたところで同時に二人のスマホが音を立てた。
「嫌な予感がする」
舌打ちでもしそうな勢いで、壮一は胸ポケットからスマホを出すと「やっぱり……」とつぶやく。
「だよね……」
日葵も誰からか想像がつきつつスマホを開くと、そこには長谷川家と清水家のグループラインが作られていて、今日の夜は久しぶりに集まると書かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!