過去から未来へ

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「チーフ……」 いつのまにかフロアには誰もおらず、壮一と二人きりな事に気づき、日葵はドキッとしてしまう。 フロアに二人のことなんて何度もあったが、前とは違ったドキドキが日葵をおそう。 「終わった?」 「はい」 ジッと壮一を見れば、その瞳に自分が映り日葵は羞恥から視線を外してしまう。それをさせないと言わんばかりに、壮一の瞳が日葵を追う。 「あの日からゆっくり日葵といられなかったから。今日は一緒にいよう」 その言葉に、更に日葵の心臓は早く音を立てる。「うん……」そう返事をしたところで同時に二人のスマホが音を立てた。 「嫌な予感がする」 舌打ちでもしそうな勢いで、壮一は胸ポケットからスマホを出すと「やっぱり……」とつぶやく。 「だよね……」 日葵も誰からか想像がつきつつスマホを開くと、そこには長谷川家と清水家のグループラインが作られていて、今日の夜は久しぶりに集まると書かれていた。
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