過去から未来へ

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会社を出て、壮一の車で日葵の実家へと向かう途中も、壮一は無言で涼しい顔で日葵の手を弄ぶように触れていた。 今までとは違う関係性を嫌でも感じてしまい、日葵はドキドキが収まらない。ずっと一緒に過ごしてきた人はもはや完全に日葵の中では別の人のような感覚が襲う。 「日葵、ドキドキしてる?」 そんな日葵を見透かすように、壮一が前を見ながら日葵に問いかける。 「な……別に」 つい、恥ずかしくて言葉を発してしまうも、そんな日葵を壮一はチラリとみる。 「俺はしてるよ。小さいころとは違う女の日葵に」 「な……」 (なんてことを言うの?)
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