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(別にいいじゃない。どう呼ぼうが……)
昔から女の人に言い寄られすぎて、苦手なのではと勝手に思っていた自分に日葵はため息をついた。
よくよく考えれば、香水のにおいや、派手な人が苦手なだけで、壮一が女嫌いだったわけではない。
肩の上できれいに切りそろえられたブラウンの髪、人懐っこいくりくりした瞳、服装もどちらかといえばカジュアルで、150cmを少し超えたぐらいの柚希は本当に可愛らしい女の子だった。
壮一の部屋に消えていった柚希を見ていたことに気づいて、日葵はハッとして視線を自分のパソコンへと向ける。
別に壮一が幸せになることすら許せないわけではない。
自分にそう言い聞かせて、受話器を取る。
リリース日がきまり、その日ははマスコミ各社を呼び、盛大なイベントを行う予定になっている。
そのイベント会社との打ち合わせが今日は入っていた。
受付にその事を伝えて、もう一度資料を確認していたところに、柚希が自分のところに来るのがわかった。
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