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柚子はキャッキャッと笑いながら玩具を振り回したり、恵美は隆成の長く白い髭を引っ張ったりとやりたい放題だ。桔梗はそんなの気にせず料理を作り終え佐助達のいる部屋に運ぶと二人は倒れ柚子と恵美は二人の上に乗って遊んでいた。
「あらあら、二人とも見事にやられたわね。ご飯にするからそろそろ生き返ってね。柚子ちゃんと恵美もご飯にしましょうね」
桔梗は二人の上に乗っかっている柚子と恵美を軽々と抱き上げ離乳食を用意した。そして柚子と恵美にやられ疲れはてた二人もようやく座るがまだどこか疲れているような顔をした。桔梗は二人に離乳食を食べさそうとすると佐助は「俺がやりますよ」と言うが桔梗は「良いのよ。それよりご飯が冷めてしまうから食べて」と柚子に離乳食を小さいスプーンで食べさせた。
「佐助さん、桔梗の作った料理は上手いぞ。桔梗の言うとおりわしらはご飯が冷めないうちに食べよう。手伝いは後でわしらが洗い物をすれば良い」
「では、頂きます」
隆成の言葉に納得をして二人は桔梗の作った夕食を食べた。食べ終わると二人は食器を片付け台所に運び佐助は食器をスポンジで洗い物流し、隆成はその食器を拭いて片付けた。
「桔梗の手料理はどうじゃった」
「凄く美味しかったです。また食べたい位ですよ」
佐助は笑いながら洗い物をしていると背中に激しい痛みが襲いかかり隆成が佐助の背中を叩いていた。佐助は手に持っていた皿を危うく落とす所だったがなんとか落とさずにすんだ。隆成は「おぉ、すまんの」と佐助に謝罪をしてからまた皿を拭いた。二人は皿洗いが終わり部屋に戻ると桔梗は二人と遊んでいて二人も佐助と隆成が遊んでいたのより更にキャッキャッと笑っていた。
「あっ、洗い物終わりましたか? 柚子ちゃんほらパパがいるよ」
桔梗は柚子を抱き上げ佐助の方に向くと柚子は佐助の方に行きたがるかのように両手を佐助に向けた。佐助は柚子の両脇に手を通して抱き上げると柚子は足をばたつかせ笑った。
「あらあら、柚子ちゃんったらあんなに喜んじゃって。よっぽど佐助さんが恋しかったのね。可愛いわ」
「喜んでいるのですか? 柚子が」
佐助の言葉に桔梗は「えぇ」と答えた。佐助はそれがとても嬉しくて柚子を高い高いするとまた更に笑ったが三回位高い高いをすると佐助は息切れをしてへばった。
「ゆ、柚子。ごめん。もうこれ以上は……出来ない」
ハァハァと息切れをすると柚子はブゥーと声を出し高い高いを要求するように佐助の腕をベシベシと叩いたが佐助は「無理だ」と首を横に振っても柚子は佐助の腕を叩き続けた。
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