02.傍若無人

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「おい、それが人に物を頼む態度か?持ってきて欲しいならちゃんと頼み方ってもんがあんじゃねえの?」 未だベッドへと横たわるあたしを上から見下ろすように見つめて伊織が言う。 確かに。それはごもっともである。 しかし、なんだかそれは憚られる。ので、 のそのそと怠い体を起き上がらせて「いい、自分で取りに行く。」と、立ちあがろうとすれば 「本当素直じゃねえ女だな?取ってきてやっからトドみたいにそこで寝て待っとけ。」 そう言うとさっさと寝室を出て行こうとする伊織 「…は?今なんてった?」 こいつ、あたしのことトドって言わなかった?? し、信じられない!!! いたいけなレディに向かって、よりにもよってトドだなんて!!!! やはり伊織にはデリカシーってものが無さすぎる。 しかし、意外にもあたしのお願いをちゃんと聞き入れてくれる伊織に動揺して少し反応が遅れてしまったのもまた事実である。
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