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私の予想通り、電話でリクは『犯人がわかった。証拠も見つけた』と言った。
なので女性陣はしっかり着物とヘアメイクをしてから和菓子屋へ合流に向かう。泣いてしまったら化粧が崩れる。なのでリナさんもヒナさんも、アヤカさんにかなりしっかりメイクされていた。これ以上泣いたりしないように、って、アヤカさんは力強く送り出してくれた。
そして和菓子屋につき、男性陣はまず着飾った女性陣に驚いてから、それを褒める。
「びっくりした。二人とも似合うな」
「うんうん! もう一回お花見したいくらいだね」
いや、褒めたのはレンさんとヒロキさんだけだ。ユウジさんは不機嫌そうにしている。
「何やってんだよ。こんな寒いところに俺ら放置して、自分達は着物着てチャラチャラしやがって。それどころじゃねーのわかってんのか? 会費が見つからねーのによ」
ユウジさんは腕をさする。寒いところって言っても私達はそんなに寒くない。ユウジさんが半袖着てるせいだ。……あれ、この人ジャケットを着てなかったっけ。
この五人には早く事件を解決させたほうがいいだろう。リクが改めて発言した。
「僕は会費を隠した犯人がわかりました。今言っても構いませんか?」
きょとんとする大学生達。そりゃそうだ。なんで偶然居合わせた中学生が?と思うだろう。
でもその言葉はよく聞けば信用のできる言葉だ。『盗んだ犯人』とは言わず、『隠した犯人』と言うのだから。ひなさんじゃないとわかっている人の答えだ。
「いいよ。言って。あとは私達でカタをつける」
リナさんがひなさんの手をぎゅっと握って、頼もしいまでの言葉をリクにかけた。その様子ならどんな答えが出ても大丈夫そうだ。他の人も文句はないみたいだ。
「わかりました。答えます。犯人はユウジさんです」
まったく間を空けず焦らさずにリクは言った。それは皆の予想通りだ。でも誰も彼がやったという証拠はつかめていない。
なのでユウジさんも文句を言う。
「おいおい。俺の荷物はちゃんと見て、会費を隠し持っていないことは証明されただろうが。適当いってんじゃねーよ」
「会費はユウジさんが持っていなくて突然です。ユウジさんは女性陣が持ち帰るはずのゴミに会費を隠したのですから」
あ、ここでリクは『女性陣』と言った。ひなさんが疑われるようなこと言わないで、って私が言ったこと、まもってくれてるんだ。
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