ライバルの理由

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「ユウジ、今答えろ。今すぐ二人に謝るか、謝らずに俺達に関わらないようにするか。もし謝ったって二人が許すかは知らないけどな」 レンさんがジャケットを差し出し、これからの事をユウジさんに問う。今回は四人が嫌な思いをしたはずだけど、それでも中心になったひなさんヒロキさんに謝るかどうかが重要だ。本当はもっと四人で怒ったっていいことだと思うけど、大人だからか甘いように見える。 「もうお前らには関わりたくねーよ。ずっと仲良しグループやってろ」 ユウジさんは最後まで感じ悪く、ジャケットをひったくるようにして取って去っていった。謝る気はないし、これからは四人に関わらないということだ。 立ち去ってからリナさんが怒りをあらわにする。 「なにあれ。もっと皆で責めればよかったのに!」 「悪かったな、勝手に決めて。でもああいうやつって逆恨みしてまたなんかやるからさ。逃げ道用意して自分で選んだ気にさせないと」 「……まぁ、そうだよね。レン君がさくさく決めてくれて助かったのかも」 ああ、そっか。自分勝手なユウジさんなので都合が悪くなればずっと恨む。だからレンさんはあえて二択にしてユウジさんが選びそうな選択肢を用意した、ということらしい。 そうするのが皆が逆恨みされないから。 「ていうかびっくりだわ。ひなとヒロキ君が付き合っていただなんて全然知らなかった」 「ごめんね。リナにだけは言おうと思ったんだけど、ユウジ君だけには勘付かれたくなかったから」 「もう、すぐに祝福したかったのに!」 ぽこぽこと、肩たたきでもするようにリナさんがひなさんを着物が崩れないようたたいた。 「和菓子屋の子も、ケーキ屋の子もありがとな。俺達だけじゃ証拠つかめなかった」 「いえ、僕もほのかにヒントもらって気づいただけですので」 似ている二人のレンさんとリクがそういう。きっとリクは寒いのにずっと半袖なユウジさんを怪しく思ってて、入っていたのがマヨネーズだらけのサンドイッチの容器であることでピンと来たんだろう。 「これからどうしようか。せっかく二人がきれいな格好しているんだし、もう少し遊びに行こうよ」
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