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ジャミラとの出会い
彼とは高校二年生の時に理系クラスで一緒になったのが最初の出会いであった。
制服の詰襟のボタンが首が絞まるほどびっちりと留め、品行方正に服を着せたような私の佇まいと相反して、ジャミラの服装はだらしなくボタンが開けられ、中に着ているカッターシャツも常にズボンからはみ出した状態であった。
猫背を強調するように肩を前に出して歩く姿は学校の廊下を大きめの皇帝ペンギンが歩いているかのようであった。
ジャミラがこの服装の乱れについて担任の先生に何度も注意を受けていたことも見ていたし、決して目上の人に敬語を使わない姿を見て、彼とは住む世界の違いを肌で感じ取り敬遠していたことを覚えている。
つまり第一印象は最悪であったのである。
更に私は日を追う毎に彼の生活態度の悪さを目の当たりにするのであった。
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