逢瀬

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 黙ってうつむいていると奴の手が伸びて来て、膝の上に乗せられた。指が髪に潜ってくる。  今さら何すんねん。でも口に出せない。  さらさらと髪を梳いて、長い沈黙のあと囁き声が耳に落ちてきた。 「なあ、ほかの奴じゃあかんねん。俺にはお前だけやって」  いつもと違う、真剣なトーンにはっとする。  髪を引かれて顔を上げたら、真っ直ぐな目にぶつかった。 「一生別れる気はないで。いい加減わかれや、そんくらい」  泣きそうな、すこし震える声で奴が言う。  完  2019年11~12月に参加した8Pのネットプリントを使った折本企画の作品です。  こちらとラ·フェリーチェの番外編「いつもの夜の小さなお話」の二作品で参加しました。  思いがけずたくさんの方にネットプリントしていただけて、とっても嬉しかったです!(^^)!  一応、初めての本と言っていいんでしょうかww  折本、楽しいですよね、どうもありがとうございました!  元はもっと短いSSクイズ景品の短編でした。  素直になれないこじらせ幼なじみの二人ですw   お知らせ この作品を元にした中編小説『逢瀬を重ねて』を電子書籍で出しました(*^^*) 各電子書籍サイトでご覧ください。 コミックシーモア、kindleの読み放題会員は無料です。 試し読み↓ https://www.cmoa.jp/title/1101371569/ https://www.amazon.co.jp/dp/B09XPZM3VT ヘタレ攻め×誘い受け、拗らせ幼なじみの切なくてやさしいお話です。 ぜひご覧くださいm(__)m 表紙は一宮こうさん。 とっても素敵なのでご覧ください♥ e3373385-0f02-4adc-b6c0-31d687f32b55
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