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「何とか大丈夫そうだな」
「これのおかげで俺達は束の間の平和を過ごしているが、外の世界がどうなっているかわからないぜ」
確かにリクのいう通りだ。俺達は小さい頃に世界の終焉が起こり、この防御壁の中で育った井の中の蛙だ。
一通り巡回した俺たちは特に壁の異常箇所が見つからなかったので、仲間が待つ駅前広場のベース基地へと車を走らせているとリクが俺の顔を見てニヤリと笑った。
「なあリョウ。お前はリナの事どう思っているんだ? 」
唐突な質問に少し戸惑いながら答えた。
「大切な仲間だよ」
「へえ~それだけかぁ? 」
「な‥ 何が言いたいんだよ? 」
リクは助手席からニコッと笑いながら顔を近づけてきた
「あいつ結構、人気あるからなぁ。俺が付き合っちまおうかなか~ 」
「そ、そ、 それはダメだ。」
俺はハンドルを握る手に汗をかきながら少し焦った口調で答えると
「アハハハハ、ムキになるなよな。ジョーダンだよ。 あいつはお前のことが好きなんだからよ。」
「そ、そんなことないよ」
俺は頬を赤く染めながら答えた。
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