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「羨ましいよな。でもこの先、どんな辛いことがあってもリナの事を絶対守ってやれよな。約束だぞ!」
「ああ、約束する」
リクが真剣な表情で話すと俺は、リクと軽く拳を当てて約束を交わした。
《でも俺に未来があるならリナと本気で付き合いたかったぜ‥‥ 》
この時リクの口から聞き取れないかすかな声でボソッと話したのが聞こえたが、俺は特に気にとめていなかったがどこか寂しそうな表情を浮かべていた。
元高円寺駅前のロータリーを活用した集落で、俺達は生き残った子供達と一緒に自給自足の生活を送っていた。入り口は有刺鉄線などでバリケードを張り、高台から見張り役の少年による合図で重い扉が開かれた。
ここでは皆が助け合って生活を送っており、基地の内部では小さい子供が鬼ごっこで遊んだりと平和な時が流れていた。
俺が車を降りると
「お帰りなさい」
俺たちの帰りを待ってくれた幼なじみで同級生の 「藤島リナ」 が出迎えてくれた。 茶髪でのカントリースタイルのツインテールが特徴の小柄な彼女はコミュニティーの母親的存在だった。
「ただいま」
俺はリナの顔を見て緊張がほぐれた。すると
パーン!
「え?」
「せ~の お誕生日おめでとう! 」
パチパチパチ
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