シャム猫さんのリボン

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今日もハリネズミくん達はいつものメンバーで千年木の下で遊んでいます。 「シャム猫さん遅いね。」 約束の時間を過ぎても、シャム猫さんは来ないのです。 なにかあったのかな... ハリネズミくんもセキレイさんもハスキーさんも、考えることは一緒でした。 「迎えに行こう!」 誰からともなく声をかけ、シャム猫さんのおうちまで行くことにしました。 途中まで行くと、小川を見つめながら泣いているシャム猫さんがいました。 「シャム猫さん、どうしたの?どこか痛いの?」 ハリネズミくんは心配そうにたずねました。 シャム猫さんは首を振るだけで何も言いません。 その時ハスキーさんが気づきました。 「いつもの赤いリボン無くしちゃったの?」 シャム猫さんは、泣きながら頷きました。 赤いリボンは、シャム猫さんのお気に入りでした。 「どこで無くしたかわからないの?」と、セキレイさん。 「わからないの...」 やっとシャム猫さんが話しました。 とてもか細い声で。 3人は、手分けしてリボンを探すことにしました。 空を飛べるセキレイさんは、木の上を。 体の大きなハスキーさんは、小川の近くを。 一番体の小さなハリネズミくんは、野原の中を。 みんな一生懸命探します。 「あった!」 そう叫んだのはハリネズミくん。 野原に落ちていた枝に引っかかっていたのです。 「シャム猫さん、よかったね。」 ハリネズミくんは、リボンを渡しながら言いました。 「ありがとう。」 シャム猫さんは、いつものツンとした態度ではなく、 素直にお礼を言います。 シャム猫さんは、みんなが一生懸命自分の大切なものを探してくれたことが、 何より嬉しかったのです。 大事なリボンをしっぽに巻いて4人で千年木まで向かいました。
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