不協和音

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あなたと私は 理解できない別のもの。 そう思っている間は 共鳴しあい、 ひとりでは決してできない 美しい響きを 二人で奏でることもできるのに わかりあっていると 決めつけた途端、 私たちは 自分の響きも 相手の響きも濁らせてしまって 不協和音を奏で始める 心の調律師は ひとり、孤独な胸の内にだけ ひっそりと隠れ住んでいる。 割れた音叉を抱えて 今夜、私は、無言で その調律師に会いに行かねばならない。 夜のうち、 闇に紛れて、ひっそりと。
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