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あなたと私は
理解できない別のもの。
そう思っている間は
共鳴しあい、
ひとりでは決してできない
美しい響きを
二人で奏でることもできるのに
わかりあっていると
決めつけた途端、
私たちは
自分の響きも
相手の響きも濁らせてしまって
不協和音を奏で始める
心の調律師は
ひとり、孤独な胸の内にだけ
ひっそりと隠れ住んでいる。
割れた音叉を抱えて
今夜、私は、無言で
その調律師に会いに行かねばならない。
夜のうち、
闇に紛れて、ひっそりと。
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