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朝焼けが消え、朝日が昇っている…‥
『そう言えば壬生(みぶ)って聞いたことあるような…‥』
ポツリと独り言を言った鈴華に対し、総司がそれに答える。
『壬生とはここの地名ですょ。』
『…‥地名⁉』
『はい、この辺りは壬生と言うのです。私たちもついこの間”新撰組”と名を頂くまでは”壬生浪士組”…‥”壬生狼”などと呼ばれていたものです。』
『壬生狼…‥⁉』
『えぇ、ちょっとした皮肉ですよ。』
彼の言うことにはこういうことだ…‥
”壬生狼”という呼ばれ方は京の人々の皮肉でもあった。彼らは決して歓迎されていたわけではない…‥。京の街の人々には野蛮だと恐れられ、嫌われていたのだ。と…‥
『そんなのおかしい…‥』
鈴華はやりきれない気持ちだった…‥
京の治安を守るために自分の命を削ってまで戦っているのに…‥。あまりにも皮肉な結果だ。
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