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歩む
震災の影響を受けた卒園式。コロナの影響を受けた中学の卒業式。
思い出をかき消す程に大きな衝撃が私達の別れの時期には訪れる。
どれもこれも仕方ないことだ。私にはどうすることもできない。
「来週の月曜日から臨時休業になります。」
その放送は、突然にやってきた。
私達の卒業までの残り1週間の生活があっという間に流されて、かき消されて何処か別の世界に行ってしまった。
あれほどなまでに苦痛だった学校生活。毎日同じように過ぎていった同級との日々はもうない。
頭の中は、もう真っ白だ。残りの1週間でやりたいことが沢山あった。
政府の決定だから仕方ない。そう処理は出来なかった。
友と学んだ教室はきっと今頃は静まりかえっている。校庭も1人の遊び人をも許さない。
思い出なんて…と頭をよぎる。
そして、今なお続く暗黒なウイルスとの戦い。諦めることも一歩の緩みを出すことも許されない。
もう後ろを向いて立ち止まっていては駄目だ。駄目なのだ。
信じたくもない現実に現状に背を向けることは許されない。
だから、今日も歩いて行くのだ。不安定で、信じられない現実の中を。自分自身の足で。自分自身の意思で。
どうか、世界平和が戻ってきます様に。
いや、そんなことは綺麗事だ。本当は、そんなことを考える余裕はないはずだ。
だから、せめてこれだけは、と祈るのだ。
私自身の生活が元に戻りますように。
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