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学校やだ
「ねぇねぇ、宮前さん、今日帰りマック行かない?」
うるさい
「ねぇねぇ宮前さんいつも何読んでるの、本?」
うるさい
宮前さん、宮前さん、宮前さん、
自分を呼ぶ声が鬱陶しく肌に張り付いてくる。ヘラヘラ笑いながら近づいてくる者達に敵意がないと知っていても、うざったくなる理由は一つ。それは、彼女らが欲しているのは私ではないからだ。彼女達が欲しいのは私のステータスだ。
テストは毎回トップクラス、体育祭のリレーではアンカーを務め、校内絵画コンクールでは入選を果たす。
自分で言うのも難だが、これだけのことを『成し遂げられる自分』に誇りを持つ。しかし、『自分』が好きかと問われるとそうではない。結局私もこのステータスを持つ自分が好きなのだ。完璧ガールを謳った殻を割れば、後は何も残らない空っぽな人間、そんな自分が嫌いだからこそ、そんなことを知らずにヘラヘラ媚び諂ってくる奴らのことが嫌いだった。
だから友達できないんだ。
ー友達ー 友達ってなんだろう、一緒に笑い合える?一緒に悩みを分かち合える?そんな人いない、媚び諂ってくる者達以外からは謙遜されるから。「お高く止まっちゃって」
こんな悪口を言われるのも日常茶飯事だ。
だからこそ私をこんなふうに育てた母が許せない。
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