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作る・祠
夏を何十年も通り越した錆びたバス停に、バスは二、三分遅れてやって来た。田舎のバスって大体そう。
ご老人がぽつぽつと座っている中、一番後ろからSが出てくるのが見えた。
「お出迎えありがとう、暑くなかった?」
「バスが遅かったからちょっと暑かった」
「申し訳ない」
「君のせいじゃないじゃん、自分に関係ないことまで謝罪すると私みたいになっちゃうよ、…さあ、バレないように早くやっちゃおう」
「親御さんは?」
「六時くらいまで留守」
「把握した」
わざわざ雑草が伸びっぱなしになった畔を通ったりする。Sはわざとらしくザクザクと足音を踏み鳴らして感嘆の声を漏らしたし、私が子供の頃と同じように大きめの用水路を飛び越えた時、意外と身体が動かなくてよろけてしまったのを高笑いした。
彼があまりに豪快にレッテルを剥がすので、私も面白くなって畔を全速力で走った。こけた。また笑うS。ざわめく青い稲。
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