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作る・概念
同級生が勉強している事に一抹の不安を覚えながら、それでも何かを取り戻すために私達は夢中で聖典を編んだ。
取り敢えず、今まで通り初詣やクリスマスには興じていたかったので、他の宗教を否定しないようにした。作った宗教には勿論従おうと思っていたので、日常が変わるような宗教にして知人にバレて馬鹿にされたら支えも元も子もない。
私達に似合うような花言葉を漁って、神様にツリフネ様という名前を付けた。八の付く日に爪を切るとか、取れたボタンをお供えするとか、適当な決まりを作って、そこに辿り着くように神話を紡いだ。
それなりの人間になる為に勉強もした。勉強のモチベーションも神様だった。もうすぐ私達の元にも神様が来てくれるから。決して不都合のない、二人だけの神様が来てくれるから。
二人の最後の青春を馬鹿にするだろう誰にもバレないように、ノートの隅で御札の文字にする謎の記号を書き連ねた。
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