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『フルフルの帰り帰り道』
ぶー子達は行きつけのファミリーレストランの(フルフル)で食事をしながら話をしています。
夜ごはんを食べに フルフル
徹夜明けの朝には モーニング フルフル
お昼はフルフル ランチ
そして 夜 フルフル
フルフル フルフル
トムトムはフルフル雑炊を食べ、
ジッキーニはフルフルいちごパフェを食べています。
モーリーはフルフルグラタンを眺めながら、美味しそうにラーク6mgを吸っています。
ぶー子はちょっこりと座り大好きなドリンクバーのメロンハーフ・コーラを飲んでいます。
「おかわりをしてくる」とぶー子が言うとトムトムは言いました。
「ぶー子、今日は帰ろう……」
トムトムはフルフル雑炊を食べるのを止めました。
「トムトム、フルフル雑炊が残っているよ。ぶー子はメロンハーフ・コーラが飲みたい」
トムトムは言います。「また明日来ればいいじゃん……」
ジッキーニはフルフルいちごパフェのてっぺんに乗った(冷凍いちご)をグラスの中に残したままです。
「ジッキーニどうしたの?いちご食べないの??」
ジッキーニは冷凍いちごを眺めながらため息をつきました。
ぶー子は少し考えてトムトムに言いました。
「そうだね、明日、また来よう」
帰り道の車の中、陰鬱なオルタナロックがカーステレオから流れています。
トムトムはマールボロに火をつけて深く呼吸をしました。
ジッキーニは鼻をこすりなら窓の外に見える臨海工業地帯を眺めています。
モーリーは手持ちのラーク6mgがなくなったので灰皿をさぐり、もう少し吸えそうな(マールボロの吸い殻)を拾い黒い灰の部分をつまんでちぎりました。そしてシガーライターを使い火をつけ、やはり深めの呼吸をしました。
トムトムはモーリーにいいました。
「言えば1本位あげるのに」
「借りは作らないことにしているんだ」とモーリーは答えました。
トムトムもモーリーも美味しそうに煙草を吸っています。
車の中は煙草の煙でいっぱいです。しかし、ぶー子は嫌いではありません。どういうわけか、懐かしい気持ちになるからです。
ぶー子は思いました。
「明日もフルフルに行けますように……」
ぶー子はゆっくりと目を閉じ眠りの中へ向いました。
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