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プロローグ
「おい、見ろよあれ。」
「ん?やっべぇ。」
「誰か止めろよ。」
「無理だろ。先生でも無理だぞ。」
東校舎と西校舎の間で2人の男子が胸元を掴みあっている。
1人は背が低く、可愛らしい顔立ちをしているが、今は猛獣のように殺気をむき出しにしている。
もう1人は背が高く明らかに不良とわかるような顔に傷がある。が、世の中でいうイケメンの部類に当てはまる顔立ちをしていた。
「今日こそ決着つけてやる。」
「ふん、やれるもんならやってみろ!」
2人とも今にも相手に襲い掛かりそうに拳を振りかぶっている。
そのとき、2人は一斉に拳を相手にむかって突き出した。
「よ、いしょっと。」
「「!?!!!?」」
でもその拳がお互いにとどくことはなく、2人は背中から地面に倒れてしまった。
「ふー。えっと、これでいいんだよねー?」
2人を片手で投げた少女は校舎の3階にいる、生徒に声をかけた。
「おい!」
「まてまてまて!!」
「んー?なぁに?」
2人はバッと立ち上がると少女に掴みかかったがひらりと少女はかわしている。
「何じゃねぇ!」
「邪魔してくれてんじゃねぇよ!」
少女は面倒くさそうに欠伸をしながら、逃げている。
「えー、そんなことよりさぁ。」
少女は人差し指を上にむけた。
「これで、全員?」
辺りには全校生徒が集まってきていた。
そりゃそうだ。実はこの、最初に喧嘩していた2人、この学校で指折りの権力者なのだ。
そんな2人を一度に倒したのだから人が集まってくるのは当然だ。
「あー、ごほん。えー。では、宣言します!!よーく聞いてくださいね!私は転校生の氷山海寧(ひょうざん あまね)は、この学校を変える為に来ました!」
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