俺の心霊写真を撮ってくれ!

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『これはコラだろ』  返信に付いていたコラという言葉に加藤は首をかしげる。 「田車さん、コラって何だ?」 「あぁ、コラってのはコラージュ…… つまり合成写真って事ですね」  それを聞いて加藤は驚きの声を上げた。 「そんな!! これ正真正銘の心霊写真だぜ!?」 「今は写真の合成とか誰でも出来る時代ですからねー」  加藤はわかりやすいぐらいにガックリと肩を落とす。  しかし、それ以外にも返信はある。 「えーっと、『これはガチで霊写ってる、憎しみが溢れた顔をしているからヤバい悪霊。今すぐ引っ越すかお祓いした方が良い』ですって」 「えぇ!? 俺、悪い幽霊じゃないよ!?」  加藤は確かに幽霊だったが、悪霊かと言われるとそんな感じは全然しない。 「でも怖がられるのが目的なんだから良かったじゃないですか、これで成仏出来るんじゃないですか?」  田車はそう言うが加藤が消える素振りは全く無く、腕を組んでうーんと唸っている。 「なんか、何か違うんだよなぁ」  はぁっと田車はため息を吐いた。この幽霊思ったよりも面倒くさいと。 「じゃあ別の角度からもう1回撮ってみましょうか?」 「お、悪いね田車さん! 頼むよー」 「その前に飯食べてて良いですか? その間にいい感じのポーズ考えておいてください」 「オッケーオッケー」  田車がコンビニの弁当を食べている間、加藤はああでもないこうでもないと1人でぶつぶつ言いながらいろんなポーズを取っていた。正直言ってウザい。 「それで、何かポーズは決まりましたか?」  弁当を食べ終えると田車は加藤に話しかける。 「おうよ、やっぱ幽霊的な不健康さを出すためにしゃがんで睨んでる感じはどうかなーって思って」  加藤は台所の隅で三角座りをしている。とりあえず田車はスマホを向けて写真を撮った。
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