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家に帰り、パソコンでネット上の反応を田車と加藤は眺めていた。
相変わらず加藤はネットのオモチャとしてクソコラを作られて『台所のおっさん』という不名誉なあだ名まで付けられてしまう。
「だーれも俺を怖がってないな」
はははと苦笑いをしながら加藤は言っていた。
「そうですね、でもみんな笑ってますよ」
「馬鹿にされているだけな気がするんだけど!」
今度は田車がはははと笑った。そして2人で笑い合う。
「いやー、でもまぁ、人とこうして笑うなんていつぶりだろうな」
加藤はしみじみと言った。ずっと孤独で人には無視をされ、そんな心中を思うと田車は少し加藤が寂しげに見える。
「もう眠くなってきたんで俺は寝ますね」
「おう、また金縛っちゃうと思うけど許してくれな、田車さん」
加藤は両手を合わせてすまんっと頭を下げたが、田車はニッと笑って言う。
「ネット上でクソコラ作られまくってる『台所のおっさん』がやったと思ったらちっとも怖くありませんよ」
「あー!!! 今、台所のおっさんって呼んだ!!!」
「電気消しますねー、おやすみなさい」
「ちょ、ちょっと田車さん!?」
加藤は不満そうだったが、電気を消すとおとなしくなった。
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