空のクラゲ

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空のクラゲ

ビニール袋が飛んでいく。 誰にもいらないから捨てられて。 ふわふわと 屋根を超えて、見えない場所まで飛んでいく。 それは空をただようクラゲみたいに自由で、 糸の切れた凧のように不安だ。 高すぎて誰もつかまえられない。 風がやんで 誰かにつかまったときには ゴミと呼ばれて、捨てられてしまうもの。 だれにもつかまりたくない、 自由でいたいと言った あの頃の僕を思い出す。
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