スミレ

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スミレ

土砂降りの雨に 打ちのめされて 地面に横たわる スミレの花を 自分に重ね合わせてみたり するんだろう。 儚さを愛する僕は。 だけど 良く晴れた翌朝、 スミレは たくましく凛として 朝陽に向かって 顔を上げている。 泣いた後ですぐに笑える 子どものように。 それは昨日の雨が スミレを より瑞々しく より美しいものに しているから。 それが スミレが 生来もっている たくましさと凛々しさだから。
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