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プロローグゴッドハンド

　とのその時。　

もう一人のギャルソンナイトが、静かに、

素早く、つまり、競歩のように、つかつかと

音は立てずに、歩いてきた。

　お盆は、銀ではなかったが、運んで来たの

は、桜か、梅か、桃の花びらの浮いた、グラン。

これが、あの、幻の、グラン。

　木の芽は、そのグラスを覗き込んだ。