28人が本棚に入れています
本棚に追加
リマリマリン ボンソワール
ブーケの壺を、🏺抱えて来たのは、
赤いスカーフを被った、少女だった。
うわ、壺からいい匂いの、ゆげが立つ。
「開けて見て、姫様。」
こんな、豆腐屋の娘を、姫扱いして、
一体ここは、どんなところなんだろう。
私は、帽子を脱いでいなかったことを思い出し、
フェルトの、フェミニン帽を取ると、
ギャルソンナイトが、どうぞ、と、ウサギの帽子掛けを出した。
「どうも有難う。」
「キャジーと言います。」
「キャジーさま?」
ギャルソンナイトは、笑みを浮かべると、
キラキラした目で、頷く。
そして、胸のポケットから、花束のカードを出して、手の掌に乗せて差し出した。
「まあ綺麗だわ、カード?」
「ネイム•ロゴです」
「名刺みたいね。」
「大事な人にだけ、おくるものなんです。」
壺の蓋を、キャジーが開けると、何とそれは、釜飯だった。
「まあ。懐かしい感じのする、ご飯!」
シチューを炊いたようなライスに、
沢山の具が、鮮やかだ。
西洋の壺に、野菜や木の実の炊き込みご飯が
詰まっているのだ。
最初のコメントを投稿しよう!