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夜の訪れは薔薇と共に…?
そもそも……だ。
私達が恋人という立場になった事自体、天と地が逆転する、もしくは月とミジンコに対する一般的な価値が逆転するくらいの衝撃的な出来事である。
今日、私は奴との少女漫画的約束をしてはいた。
けれども、突発的なハプニングのために、彼との約束を無断で破ってしまった。
夜の11時。
奴の身の回りの世話をしているという、山田と名乗った……声だけなら年齢を30は誤魔化せそうな老人が
「ぼっちゃまが、隅の方で置物になっていらっしゃいますので、引き取りに来て下さいませんか?」
冗談のつもりで
「家まで薔薇の花、100本持ってきてくれたら会ってあげましょうか」
と、笑いをこらえながら言ってみた。
奴は私の家を知らない……はずだった。
聞かれても
「また今度教えるね〜」
と、のらくらごまかしてきたから。
だから、来るはずはないだろうと、たかを括っていた。
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