君の涙は冷たかった

2/6
前へ
/6ページ
次へ
 彼女の動きが鈍かった。  困惑しながらでも、宿題を見せようとした瞬間に、授業の始まりのチャイムが鳴った。  「あっ、やべ!やっぱいいや。ありがとう!」  彼は、急いで席に戻ると、彼女はほっとした表情になった。  授業は相変わらず、つまらない。  宿題を忘れた罰として、彼は前に出て、問題を解かされている。  その他の生徒も教師の気分で当てられ、問題を解かされている。  僕は、ただ自分が当てられないようにと、願っていた。  あまり目立ちたくはないからだ。  それに比べ、彼女が当てられることはまずない。  教師だって、彼女が一切話さないのを知っているからだ。  それと、これはあくまで噂程度だが、彼女はあまり頭が良くない。  面白半分で、彼女のテスト用紙をこっそり見た人がいたそうだ。  その結果は、悲惨なものだったらしい。  まぁ、容姿はいいから、実は男子には人気がある。  僕?  僕は、自慢じゃないがテストで九十点以下を取ったことがない。  彼女と比べないでくれ。  容姿?  まぁ、普通だ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加