君の涙は冷たかった

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 授業がある程度終わり、昼休みに入った。  昼休みには、僕は大体、図書室で本を読んでいる。  静かで、誰にも邪魔されない唯一の場所だ。  いつものように僕は、図書室へと足を運ぶ。  図書室の扉を開け、室内へと足を運ぶ。その瞬間、人が泣いているのを見かけた。  彼女だった。  僕はいつものように、本を手に取り、静かに本を読もうとした。  でも、さすがの僕でも、泣いている人を見かけて無視することはできなかった。  「••••••どう、したの?」  「••••••」  彼女は泣いたまま、何も答えなかった。  どの学校にも存在するが、この学校にもスクールカーストというものがある。  男子からは、特別嫌われてはいないが、女子からはとても嫌われている。  いわゆる、いじめだ。  「••••••といてよ」  そんなことを考えていると、彼女が何かを呟き出した。  彼女の声を聞くのは、初めてだった。  「ほっといてよ!」  その小さな声を振り絞り、彼女はそう、僕に強く当たった。  「••••••そ、そんな事は出来ない。••••••僕が君を、助けるよ」  ••••••何言ってんだ僕。  人とは関わりたくないはずなのに。彼女ともろくに話したことがないのに。  
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