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「••••••本当に?」
「••••••あぁ、本当だ」
咄嗟に出た言葉。もう取り返しはつかなかった。
••••••あぁ、何言ってんだ僕。
「••••••じゃあさ、次の授業サボろうよ」
「••••••へ?」
彼女がまともに話したこともそうだが、彼女の突然の言葉に僕は思わず、自分でも聞いたことがないような変な声が出た。
「じゃあ、カラオケ行こうよ」
「••••••お金持ってない」
「大丈夫、私が払うから!」
自分で言うのもなんだが、この真面目な僕が授業をさぼって、カラオケに行くなんて論外だ。
しかも、女子と二人っきりで。
「••••••嫌だよ」
「私を助けてくれるんじゃないの?」
彼女はニヤニヤしながら、僕にそう言ってきた。
彼女の笑う表情も、初めて見た。
「••••••仕方ないな」
「なんだ、本当は行きたいじゃん」
「••••••まぁ、そう言うことにしとくよ」
なんだ、意外にも流暢に喋るんだ。
彼女に押され、カラオケに着いた。
彼女はと言えば、どこかで聞いたことのあるような歌なのか、流行りの曲ばかりを歌っていた。
「春也くんは、歌わないの?」
「••••••僕は、遠慮しとくよ」
彼女が僕の名前を知っている事は、少し意外だった。
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