1人が本棚に入れています
本棚に追加
「普段、歌とか聞かないの?」
「••••••聞かないよ」
「聞いた方がいいよ」
「••••••なら逆に、君は普段、本を読むの?」
「読まないよ」
「読んだ方がいいよ」
僕は彼女の言葉に、少し腹が立ったので、反論してしまった。
彼女は一瞬、不機嫌そうな顔をしたが、すぐに笑った。
「にしししし!」
彼女は歌がうまかった。
「そんなに歌えるなら、なんで学校では、いつも静かなの?」
この言葉が失言だった。この失言を聞いた途端、彼女はまだ曲の途中なのに、黙り込んだ。
「••••••やめて••••••その話はしないで」
「••••••分かった」
彼女には、申し訳ない事をした。
僕が下を向くと、彼女は何かを言い始めた。
「••••••ゆっくり、話すね」
「••••••うん」
彼女はそう言ってから、話し始めた。
「••••••野月さんって言う子が昔いたんだ。」
その名前を聞いて、一瞬、分からなかったが、すぐに思い出した。
それは確か、中一のすぐに転校してしまった女子だ。
何故転校したかは、知らないけど。
最初のコメントを投稿しよう!