君の涙は冷たかった

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 「普段、歌とか聞かないの?」  「••••••聞かないよ」  「聞いた方がいいよ」  「••••••なら逆に、君は普段、本を読むの?」  「読まないよ」  「読んだ方がいいよ」  僕は彼女の言葉に、少し腹が立ったので、反論してしまった。  彼女は一瞬、不機嫌そうな顔をしたが、すぐに笑った。  「にしししし!」  彼女は歌がうまかった。  「そんなに歌えるなら、なんで学校では、いつも静かなの?」  この言葉が失言だった。この失言を聞いた途端、彼女はまだ曲の途中なのに、黙り込んだ。  「••••••やめて••••••その話はしないで」  「••••••分かった」  彼女には、申し訳ない事をした。  僕が下を向くと、彼女は何かを言い始めた。  「••••••ゆっくり、話すね」  「••••••うん」  彼女はそう言ってから、話し始めた。  「••••••野月さんって言う子が昔いたんだ。」  その名前を聞いて、一瞬、分からなかったが、すぐに思い出した。  それは確か、中一のすぐに転校してしまった女子だ。  何故転校したかは、知らないけど。
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