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覚悟
魔王は鳥籠を開き姫を魔力で出すと、身体を光の鎖で縛り上げそのまま床の絨毯に組敷いた。
「いやあああ!!」
「うるさい!!あの娘と似た姿と声で、お前が喚くのを聞くだけで虫唾が走る!」
姫は口を濃い霧で塞がれ、抵抗も出来ぬまま転がされる。
しかし魔王は目をつむり、黙ったまま動かなくなった。
その頃、地下牢では…
「ミグー、兵士長ニ呼バレタ、一緒ニ来イ…」
「料理長!」
ふたりの元に来たのはあの料理長だった。
「戦ハ俺モ、シタクナイ…ダガ、準備ダソウダ…。モウスグ人間ドモガ来ル…」
一つ目の料理長は悲しげに目をつむる。
「…おいら、行きたくない…!姫といる!!戦争は嫌だあ!!」
小鬼は娘に抱きつき、また泣き出した。
「俺モダ…。魔王様ダッテ戦イハ、オ嫌イダ…。…ダガ魔王様ガ言ッテイタ…仲間ヲコレ以上傷ツケナイ為、ト…。ソレニ…ヤラナケレバ人間ドモニ、姫ヲ取リ返サレテシマウ…」
その言葉に、小鬼も涙を拭いながら叫ぶ。
「おいら、姫にいてほしい!!魔王さまが大好きだ!でも…姫だって好きなんだ!!みんなにダメだって言われても、おいら姫が大好き!!」
「俺ダッテ、俺ノ料理ヲ、ウマソウニ食ベテクレル姫ガ、ズットイテクレタラト…」
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