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物語の始まり
人間と魔物が住む世界があった。
これまでに度々人間と魔物の激しいいさかいが起こったが、かろうじて大きな戦争までは起きずに済んでいた。
魔物を統べる魔王は人間の国の姫を攫おうと魔物たちを率いて探し回り、ついに探し出す。
姫は人間だったがその身に強い魔力を秘めており、魔力を持つ者が身体を重ねればその魔力を受け継ぎ増幅できるといわれていた。
「ついに見つけた…!姫を城へ!!」
姫はすぐさま魔王のもとへ連れてこられた。
人間よりも一回り大きく、赤色に光る瞳に青白い肌、鋭い牙に紅い唇、金の角二本と銀色の髪をもつ魔王は姫を冷たく見下ろす。
「お前たち人間には魔力など必要ないのだろうが、私にはお前の魔力が必要なのだ。お前の中に眠る力、もらい受けるぞ!」
「きゃ…!!」
両手と片足に枷をはめられた姫は粗末な寝床に寝かされ、魔王は姫に覆い被さった。
「私は人間など嫌いだ。特にお前のような気の強い娘は…。だが…」
魔王にドレスを引き裂かれ、姫の肌が露になる。
「人間どもが悪いのだ。呪うならば自分の運命を呪うのだな…」
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