サキュバス

未成年

『今なにしてるの？』
週末、紘一さんにLINEを送ってみた。
ずっと画面を眺めていたけど既読がつかなかったので、退屈しのぎに夜の散歩に出た。

毎週、男を連れ込む母親を避けるように外に出ていた習慣が抜けなくてこの時間になると外に出たくなる。

場所は夜の街はやめて、近所の明るくて大きな公園を散策した。
こんな時間でもまばらに人がいる。俺以外にも時間を持て余してる人はたくさんいるんだな、と気楽に思いながら途中自販機でお茶を買ってベンチに座った。

夜でも熱気が逃げずに蒸し暑い。
少し歩いただけでも肌が汗ばんできて、飲んだお茶もすぐ体外に放出される気がした。

「はあ、暇…」
部屋でネットサーフィンしてればよかったかな。でも習慣って怖い。体に染み付いてしまってやらないと気が済まない。

ジーンズのポケットに突っ込んでいたスマホを見る。
既読はついていない。
週末だし、忙しいんだろうなあ。

「帰ろっかな」
もう外に避難する理由もないし涼しい部屋でごろごろしようと思って立ち上がり、飲み終わったペットボトルを捨てようとゴミ箱を探した。

トイレの近くに見つけて分別のペットボトルのほうに入れようとした時、知らない人に声をかけられた。