新しい土地

3/11
前へ
/71ページ
次へ
部屋について、新しく買ったソファにジャケットを投げて勢いよく座った。 このソファはベッドみたいに大きくてこのまま眠っても余裕がある広さがあるお気に入り。 卒業式が退屈すぎて眠かった。 「この制服姿を見るのも今日で最後だね」 そんな事を言いながら美智雄さんがじりじり近づいてくる。 「記念に写メ撮っとく?」 「いや…」 俺と自分のネクタイをはずして俺を押し倒す。 「目に焼き付けておく」 美智雄さんのきちんと整えられている髪に指を伸ばしてくしゃくしゃと乱す。 「こっちの雰囲気のほうがかっこいい」 あざとい俺の行為に目を細めて、さっきより長いキスをしてきた。 「待ちくたびれた、聡」 「卒業式ってそんなも…、ん」 あらわになった俺の体を美智雄さんの指がすべっていく。 初めては紘一さんとだけど、それからは美智雄さんに開発されて慣らされた俺の体。 だんだん吐息しか出なくなって力も抜けてきた。 「式のことじゃない」 舌が胸の突起に止まる。 「…ぁ‥‥ん」 「一緒に住むまでが長かった。待ちくたびれて死ぬかと思った」 「大袈裟だなあ」 呆れる俺の手を自分の勃起している性器に誘導した。 「…すご‥」 「聡を見るとこうなってしまうんだ」 「じゃあ、見ないで」 子供っぽい意見に口角を上げて意地悪そうに笑って、俺の股にこすりつけて情欲を煽ってくる。 美智雄さんの口数が減って、かわりに俺の甘い声が漏れ出した。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

232人が本棚に入れています
本棚に追加