それから

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ファミレスで会ってから3日後くらいに俺たちは会った。 大手チェーン店は年齢確認が厳しいので山中さんの友人がやっている小さな居酒屋に連れていってもらう。 「また来るなんてお前も物好きだな」 カウンターに陣取ってすぐ山中さんは俺をからかう。 「だって約束したじゃないですか」 目の前にある大量の刺し身とからあげ、サラダに驚きながら何を飲もうが迷う。 「うっす~いウーロンハイでも飲めば」 「山中さんはいつも何を飲んでいるんですか?」 「名字で呼ぶな。伊純でいいし敬語もやめろ。俺はビールからハイボール、あとはその日の気分でいろいろ。焼酎とか」 そう言ってキープしてある焼酎のボトルを指差した。 ハイボールってCMでよく流れてるあれか。 「ビールは苦手なんで、ハイボール飲んでみたい」 「よし、樽ごと飲め」 バカみたいな事を言いつつ、注文してくれる。 「あーキャバクラ行きたい」 「行けばいいじゃん」 「聡と一緒に行きたいの。今何歳だっけ?」 「19」 「早く20歳になってくれ」 ハイボールで乾杯してゆっくり飲んでみた。 「かわいい飲み方だな」 「はじめてで怖い」 「ムリだと思ったら俺が飲むから。さっぱりして飲みやすいだろ?」 言葉はキツイがさりげなくフォローを入れてくれる。つまみを多く頼んでくれたのも空きっ腹で飲んで悪酔いしないように気を使ってくれたんだろう。 こういう所も紘一さんに似ている。 「あー聡の酒癖が心配」 「俺は眠くなる。伊純さんのほうが不安なんだけど」 「聡はいい子だから、酔っ払って裏の聡を見たい」 そう言って手の甲で俺の顔をなぞった。
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