それから

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薄いモヤの中紘一さんが笑って立っている。 ちゃんとごはん食べてる? もう夜中に散歩しちゃだめだよ。 言うこと聞かないと 殺すぞ 「…!!」 名前を呼んだかわからないが、叫んだ声で目が覚めた。 つかめない天井に向かってのばしている自分の手の甲が見える。 ゆっくり起き上がってみるとシンプルなベッドの上で、少し離れた所のベッドで伊純さんが寝ていた。 「飲んだらホントに寝ちゃうんだな」 目を開けずに伊純さんが言った。 「…え?」 「それまで普通に話してたのに突然前触れもなく寝た」 ああまただ。 昔からそうだった。酒を飲むと寝てしまうからどうしても飲みたい時は部屋で少しだけ飲んでいた。 「…すいませんでした」 消えた記憶を思い出したいが脳内に残っていない。 時計を見ると夜中の2時。 「もう少し寝てろ」 「帰りたい…」 返事はなかった。 とりあえず汗でじとっとしている肌が気持ち悪くてシャワーを浴びにいった。
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