蓮の花

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つけっぱなしのエアコンのおかげで部屋は涼しかった。 初めて寝室に招かれた。部屋を占拠するような大きいベッド。 「あんまりここは使わないけど」 伊純さんは俺の腕をつかんでベッドに放り投げた。 スプリングの反動で揺れていると押さえつけられて動きが止まり、目の前に伊純さんの顔がせまっていた。 「乱暴者、やっぱキライ」 「おう、上等だ」 俺の唇を貪る動きも乱暴で酸素が吸い込めない。 「ん‥、くるし・・・っ」 ゴト、と何か重いものを置く音がしたが確認しなくてもそれが何かわかった。 気が付かないフリをしている間に服を脱がされる。 あの男は部屋の外でまわりを警戒しているようだった。 意地悪な笑みを浮かべながらわざと高い所からローションを垂らす。 「ん…、冷た‥、い…‥」 「涼しくていいだろう」 そのままほぐさずに入れてきた。 「いっ、た…」 「俺の敵になる決意したんだろ?」 「ちがっ…」 「どっちが勝つかな」 俺の足を開いて執拗に突いてくる。 悲鳴は嬌声に変わり、シーツを握りしめて波のような模様を作っていた。 「あ…あぁ‥、ん…‥ぁ‥、伊純さ…‥」 「俺を逮捕しに来るのが楽しみだ小僧」 憎しみとも、悲しみともわからない表情で伊純さんは俺を攻めてきた。
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