蓮の花

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快楽に溺れて開いたままの俺の口から垂れる唾液を舐め取られる。 「聡、俺が好きか?」 その問いに、朦朧とした頭がさらに溶ける。 「きら‥、い。いつもイジワル…で‥あぁっ」 言い終わる前に、ぐっと中をえぐるように突いてきた。 俺の答えが不満だったのか裏筋を親指でするするとなでて遊んでいる。 「ぁ‥あぁ‥ん…そこ‥ダメ」 「聡、もう一度聞くよ」 「きらい‥、キライ…‥ぅ‥ん」 開いていた足を閉じるような体位に変えて、さらに奥に届くように突いてきた。 「あ!や‥、あん‥‥っ、ぁぁ…」 「気持ちいいか?淫乱」 「気持ちいい、もっと…」 俺自身を強くしごかれてあっさり絶頂に達してしまう。 もちろん伊純さんは離してくれない。 「…聡」 あまり名前で呼ばれたことがなかったせいか、自分の名前を言われるだけで感じてしまった。 別れたくない思いが彼を締め付けて離さない。 このままずっと抱かれていたかった。 俺は弱いから自分で自分を守れるようになりたくてこの道を選んだ。 それが大切なものを捨てることになるのを覚悟したはずだった。
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