若菜~第2回パジャマパーティ

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若菜~第2回パジャマパーティ

大学三年の年末、祥子から電話が来た。 慎とクリスマスを過ごして数日後のこと。 「若菜! 今朝から明後日まで、私一人暮らしなの。またパジャマパーティしに来ない?」 …またしても、不憫な速水… 「いいわよ。今日? 明日?」 …たまには男子抜きで、ゆっくりしゃべろう。 「今日は、これから健太君と会う約束だから…明日でどうかな」 「わかった。速水には、言ってないの?」 「うん…だって前の時、言うなって言われたから」 …あの頃とは状況が違うし、馬鹿正直にそんな言いつけを守ったら、逆に後がまずそうな気はするけど…ま、いいか。お仕置き食らうのは祥子だし。 「ん。じゃぁ明日の昼頃に行く」 「お母さんと代わってくれる?」 祥子は、私を泊まりに連れ出すときは保護者に直接伝えてくれる。まぁ、私も慎太郎と付き合ってるのは親に知られてるし、無駄に疑われるのもおもしろくないから、ありがたい。 階下に降りて母親に電話を渡すと、女友達のように祥子ときゃいきゃいとしゃべってる。 …この母のテンションの高さを、私は受け継がずに生まれてきたのよね… そんなことを思っている間に、明日のパジャマパーティ開催が決定した。 翌日、お泊まりセットとお気に入りのおやつを持って祥子の自宅へ。 ピンポーン…
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