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「あれ? 堀井?」
ガラリと扉が開いて、担任の滝本が入ってきた。足許の惨状に「あら~」と顔が引き攣る。
「先生! これ何ですか?」
「あ~、ほら、夏休みが終わって今度は秋の文化祭の準備だろ? ちょ~っと忙しくてな」
こちらも歯切れ悪そうに苦笑する。
「言い訳は無用です。どうするんですか、これ」
「そうだ、良いこと思いついた! 堀井、竹塚先生と此処頼むわ。俺は他の用事あったから。んじゃ、竹塚先生此処は宜しくお願いします」
云うだけ云って滝本は回れ右をして出て行く。
「「……逃げたな」」
律は溜め息を吐いてプリントを拾い始めた。竹塚も手伝う。
「放課後プリントを仕分けして、解りやすいようにしておきますから、机の上、下手に触らないで下さい」
律の言葉に、竹塚は小さく吹いた。
「何が可笑しいんですか?」
「いや、すまん。なんだかな。どっちが教師か解らんなと思って」
云いながらまだ笑っている。
―――変なの。なんか……。なん……か。
竹塚の横顔を見詰め、唇に釘着けになっていると、裸で抱き合っていた時のことを思い出して、律はパッと顔を背けた。
「どうした?」
顔を紅くした律に気付いて、竹塚が声を掛ける。
「何でもない、僕そろそろ行かないとHR始まる!」
思い出したことを悟られたくなくて、慌てて立ち上がって脚を踏み出した律は、残っていたプリントを踏んでしまい、危うく転びそうになったのを竹塚が抱き留めた。
「っ!?」
「あっぶねぇな、大丈夫か? 脚捻らなかったか?」
竹塚の腕の中にすっぽりと抱き留められて、律は益々動転した。
「…律?」
―――ヤバい。下半身が反応して、動けない。
「だ、大丈、夫……わっ!」」
竹塚が律の脚を持ち上げると、横抱きにしてソファーに下ろした。
「大丈夫じゃないだろうが」
「?」
竹塚はドアへ向かうと鍵を閉めて、また律の許に戻るとその足許に膝を着いた。
「な、何?」
竹塚が律の膝に手を添える。律の肩が震えた。
「このままじゃ、教室戻れないだろう?」
―――は?
竹塚が律の膨らんだ下肢に指で撫で上げる。
「くっ!」
電流が爪先から喉元まで駆け上がった。
「な、に」
「俺に任せろ」
竹塚の手がベルトを外して、動けない律の両足から器用に、スラックスとトランクスを脱がした。
「や、何考えて!?」
狼狽えて膝をくっつけた律を、竹塚が蠱惑的に見上げる。
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