その4.ルールの確認っ!

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その4.ルールの確認っ!

「……はぁ~」  普段のクールな感じはどこへやら。明穂はだいぶ弱気な表情になっていた。 「え~。ではでは改めて、この沙弥ちゃんがみなさんに勝負のルールを説明しましょう! 独占欲が一番強いのは誰だ~判定! 負けられない戦いが今始まる~!」  一人盛り上がっている沙弥。 「全然話が進んでいかないね」  苦笑している智夏。 「馬鹿馬鹿しいよ沙弥。こんなことやめ……」  暴走する沙弥を、ため息混じりに止めようとした明穂だったが。 「あら、面白そうじゃない」  緒美は、俄然やる気だった。 「緒美ぃ……」  だめだ。これは止められないと、明穂は思った。  沙弥と緒美がやる気だと、大抵のことは決行されてしまうのだ。 「それで、どんなルールなの?」  智夏が問うと……。 「ずばり! お互いの彼女ちゃん同士で、目の前で甘ぁ~く口説いてもらいます! ラブロマンスしちゃってもらいます! んでもってんでもって、その様子を海のように大きな心で動じることなく見守ることができた方が、独占欲が少なくて勝ちになるのです!」 「なんだそりゃ!」 「はあ!?」  明穂と智夏がすかさず突っ込みを入れるがしかし……。 「いいじゃない」  緒美は静かな顔。 「私は、智夏のことが好き。……でも、みんなのことも好き。比べることなんて、できないわ」  その言葉には三人とも、同意だった。確かに、それはその通りだ。 「だから。沙弥が望む通り、女優になってあげる」 「おぉう、緒美ちゃんさすが! そーこなくっちゃ!」  明穂と智夏はやれやれとため息。 「二人の激アツなラブロマンスを見て、わーーーーっ! とか、あーーーーっ! とか、やめてーーーーっ! とか、だめーーーーっ! とかとか、とにかく先に取り乱した方が負け! 以上! 勝負はじめ~~~!」  沙弥のテンションマックスな声が響いた!
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