カルマの法則

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「涼くんってば最近忙しいみたいであんまり会えなくてぇー 今主任なんだけどぉ、係長になるために頑張ってるみたいでぇー責任感が強いからわたしとの将来のためにがんばってくれてるみたいでぇ、、、」 この語尾をのばし鼻につく喋り方をするのろけアホ女。 そうこのアホ女は一応わたしの三つ上の先輩である。そして勿論仕事もできない。 先ほどの話を簡単に説明すると、半年ほど前から交際を始めた涼くん=涼介くんとやらは最近連絡をとる回数がめっきり減り中々会えないみたいだ。見た目だけはそこそこの上の下くらい。どうやら見切りをつけられそうになっているが、みとめるのはプライドが許せないのか?先ほどから自分の彼氏の役職を連呼し、ひとりアピっている。 仮にも涼くんとやらが本当に仕事でいそがしいなら、お前はそのアホ丸出しの喋り方を改善するよう正しい日本語会話教室にでも行くようお勧めする。 「裕子さん大丈夫ですよ。信じて待ちましょうね。後一ヶ月後はクリスマスと言うビックイベントもありますし。」 「そう。そうよねー プロポーズのサプライズされたらどうしよう♡ 前に涼くんたら、君にはなしがある。」 って言われてたしー♡ ほんとおめでたいやつだ! 脳内お花畑とはこのことを言う。花咲爺さんでも住んでいるのか? 「ところで裕子さん、このあいだ課長から預かった書類作成できましたのでチェックお願いしますね。間違いがなければ明日までに必ず100部コピーして課長へ渡して下さいね。朝イチ会議で使うそうです。」 「わ、わかったわ。」 そして翌日のこと、めずらしく例の涼くんとやらから、会えないか?っと連絡があったようで私に仕事を押しつけ早々帰って行かれた。 定時時間を1時間以上回りやっと裕子さんの放棄した仕事の終わりが見えた頃、課長がお戻りになり、 「明日朝イチ使う資料はどこにある?」 かなりお怒り気味。 えっ?確か裕子さんにわたしの作った資料を確認してコピーするだけにして昨日渡したはずだ! もしや、、、、 案の定裕子さんのデスクは鍵をしてあり中身を抜くこともできない。 「ふっざけんなー!!!!!!」 この無能、給料泥棒アホ女!!!! 結局もう一度作成する羽目になり、仕方なく課長にチェックをいただき、コピーもすませ終わる頃は定時時間を3時間くらい経過していた。 翌日、流石に文句を言ってやろうと思い、意気込んでいると、 いつもは派手に巻き上げるカールはされておらず、しゅんとしたストレートヘアー、いつものクリンクリンに立ち上げたパッチリアイメイクの目は今日は腫れあがりとても日頃の先輩とは思えない。 仕方なく、どうしたんですか? っとたずねてみると 涼くんとらやらに昨日振られたそうだ。 理由は、 君とは価値観が合わない。 だそうだ。 「ざまーみろ!!!!」 先輩には申し訳ないが同情の余地なし。 ココロの中で大声で叫ばせてもらった。
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