第二十七章 好みのタイプ

1/1
前へ
/28ページ
次へ

第二十七章 好みのタイプ

ハルカさんは奥井先生と談笑している。 彼も奥井先生とは昔なじみのようで盛り上がっていた。 その隣で大迫が黙ってその様子を見ている。 先生の元カレは50代のおじさんだと思っていたけど まだ40そこそこらしい。 頭髪が淋しくなっていたが、良く見ると整った顔立ちをしていた。 「奥井先生な、昔はめっちゃカッコ良かったんやで。」 と、亀井先生が小声で言いながら古い写真を見せてくれる。 長めのショートヘアで繊細な顔立ちが誰かに似ていると思ったら 「あ、佐藤さん。」 アキヒトが思わずつぶやき、亀井先生が赤くなった。 「この写真いつのですか?良く持ってましたね。」 「どうしても捨てられへんかったんやな、俺の初めての相手だったし。」 「どこと無く佐藤さんに似てますよね。」 もう一度アキヒトが言うと、 「やっぱりアッキーもそう思う?」 先生が気恥ずかしそうに言った。 そういう言い方をする、と言うことは 自分でも思っていたのだろう。 好みのタイプなんて、そう変わるもんでもないよなと アキヒトは思っていた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加