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第二十七章 好みのタイプ
ハルカさんは奥井先生と談笑している。
彼も奥井先生とは昔なじみのようで盛り上がっていた。
その隣で大迫が黙ってその様子を見ている。
先生の元カレは50代のおじさんだと思っていたけど
まだ40そこそこらしい。
頭髪が淋しくなっていたが、良く見ると整った顔立ちをしていた。
「奥井先生な、昔はめっちゃカッコ良かったんやで。」
と、亀井先生が小声で言いながら古い写真を見せてくれる。
長めのショートヘアで繊細な顔立ちが誰かに似ていると思ったら
「あ、佐藤さん。」
アキヒトが思わずつぶやき、亀井先生が赤くなった。
「この写真いつのですか?良く持ってましたね。」
「どうしても捨てられへんかったんやな、俺の初めての相手だったし。」
「どこと無く佐藤さんに似てますよね。」
もう一度アキヒトが言うと、
「やっぱりアッキーもそう思う?」
先生が気恥ずかしそうに言った。
そういう言い方をする、と言うことは
自分でも思っていたのだろう。
好みのタイプなんて、そう変わるもんでもないよなと
アキヒトは思っていた。
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