0人が本棚に入れています
本棚に追加
第六章 ため息の時間
「アイツは本当に望の事が好きだから、
頼むな。」
望は帰りの新幹線の中で、ずっとその言葉について考えていた。
カイトくんのことは知り尽くしてるであろう
兄のアキ君が言うのだから、信憑性は高い。
だけど・・・・・・と、望は思う。
私は彼に子供を産んであげる事はできない。
「母さんに孫を見せることもできない親不孝者。」
チクリと刺さるそのフレーズは、心の中から消したくても消せなかった。
売店で買ったフルーツサンドを食べながら、
望はそっとため息をついていた。
最初のコメントを投稿しよう!