第六章 ため息の時間

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第六章 ため息の時間

「アイツは本当に望の事が好きだから、 頼むな。」 望は帰りの新幹線の中で、ずっとその言葉について考えていた。 カイトくんのことは知り尽くしてるであろう 兄のアキ君が言うのだから、信憑性は高い。 だけど・・・・・・と、望は思う。 私は彼に子供を産んであげる事はできない。 「母さんに孫を見せることもできない親不孝者。」 チクリと刺さるそのフレーズは、心の中から消したくても消せなかった。 売店で買ったフルーツサンドを食べながら、 望はそっとため息をついていた。
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