第八章 特別なおみやげ

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第八章 特別なおみやげ

望は新幹線の中で、コーヒーを飲んでいた。 新山口を過ぎて、関門トンネルを越えると、 もうすぐ到着する旨のアナウンスが響く。 彼女はカップに残っていたコーヒーを飲み干して 降りる準備をした。 明日からまたお店、頑張らなきゃねと思いながら カイトくんの顔を思い浮かべる。 時間はかかるかもしれないけど、 ギクシャクした関係を取り戻すための一歩として 彼女は彼のためにお土産を買ってきていた。 たこ焼きの形をしたパスケースだ。 カイトくんの真面目なイメージと可愛いパスケースに ギャップがあって面白いんじゃないかと思って セレクトしたものだ。 男子が持つのは恥ずかしいかもしれないけど、 これを喜んでくれたなら 自分への気持ちにも確証が持てそうな気がしていた。 忘れ物が無いかを確認をして新幹線を降りる。 大阪に行って、アキヒトとハルカさんに会って良かった。 前向きな気持ちになった望は、 なんだかウキウキしていた。
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