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【手帳】 朝を迎えた。 睡魔に襲われ眠ってしまったのだ… 僕はおじさんが残してくれた手帳の数字、暗号から… 僕の過去を知ることを考えていたが… 嫌な予感が… それは東京のブティックがカエル覆面男に物色された事… この手帳は本当におじさんの物なのか? おじさんは殺傷され… 海に投げ込まれ… 水死体で発見させたにも関わらず… 手帳は全く損傷が無く… そして、おじさんが失踪する前日に話してくれた… 変わって行ったこの国… 総理の独裁政権… 全て仕組まれている… おじさんが発見され安置された湘南警察は… 既に独裁政権の支配下となり… 僕は湘南警察にお引き出され… その間、僕とおじさんが住んでいる東京のブティックにカエル覆面男が何かを探す為に物色したのだと… そして、カエル覆面男は僕を殺す事が目的であったが… 失敗した。 それでカエル覆面男はビルから突き落とされた。 するとこの手帳は… きっとすり替えられた偽物… 本物の手帳は… この手帳に書かれている数字、文字はおじさんが、書いた物なのだろうか? これで僕の過去を知ることが途絶えたのか? 「そうか、ブティックに戻っておじさんの、筆跡と確認すれば…」 僕は人眼を避けるようにカプセルホテルを後にした… そして、ブティックに到着したが… 警察がブティックの入り口を包囲していた。 僕は諦め引き返そうとした時… 入り口に佇んでいた二人の警察官は、迎えに来たもう一人の警察官と共にブティックを離れたのであった。 僕は人眼が無いことを確認し施錠されているブティックの扉にカギを差し込み解錠した。 ブティックの中は僕が逃げた時よりも物色が激しくショーウィンドウの衣装はズタズタに引き裂かれ… 何かを探しているかの様に荒れ放題であった。 「おじさんの筆跡は…」 僕は僕が暮らしていた場所とは考えられないほどに荒らされていた。 すると… 床に引き千切られた… 衣装の値札が… 「あ、おじさんが書いた物だ…」 僕が思わず独り言を… そしておもむろにその値札をポケットに突っ込み… ブティックを後にした。
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