7.

1/1
前へ
/116ページ
次へ

7.

【逃亡】 僕は安全な宿を探さなくてならなくなった。 しかし、既にお金は1万円札が1枚とわずかな小銭であった。 あとはおじさんが僕の為に積み立ててくれた貯金… 何故かブティックは荒らされていたが… この貯金通帳は健在であり僕は印鑑と共に持ち帰ったのであった。 ブティックは東京下町に店があり場所は路地で迷路のように細かく入り組んでいた… そして、ひと気が無く… 僕が向かっていたのは、ブティック近くにある… おじさんの知り合いがやっている宿泊型シェアハウスであり、そこに泊めてもらう事に決めたが… そのシャアハウスは海外の旅行者・労働者や低賃金者… 特に日雇い労働者が主に宿泊していた。 おじさんの知り合いは温和で採算を度外視しこのシャアハウスを経営していた。 そして、僕の事も可愛がってくれていた。 泊めてもらうもう一つの理由は… シャアハウスもブティック同様… 入り組んだ路地にありわかりづらく人眼を引かない事から僕はここを宿に選んだのであった。 しかし、ここでも僕は不安にかられていた。 それは、僕は明らかにおじさん同様… 誰かに狙われているからだ… その誰かは… 国であり大きな陰謀に僕が巻き込まれていると… 感じていたからだ… シャアハウスに到着した。 「おう、巧、元気だったか?」 おじさんの知り合いは気さくに話しかけ… 「今日はどうした…」 「すいませんが…」 「今日ここに泊めてもらいたいのですが?」 僕はおじさんの事情を話さず自分の要件を話した… すると… 「わかったよ…」 「ちょっと待って…」 するとおじさんの知り合いは受付の後ろにある待機部屋に… 明らかに誰かに電話をしていた… すると俺の脳裏に誰の声が… 「ヤバイぞ…」 僕は気が付き「ハッ」とした瞬間… シャアハウスの入り口に見るからにヤバそうな男二人が僕を待ち構えていた。 僕はその男二人の間を抜け逃走したが… その男二人に追いつかれ取り押さえられた。 「おとなしくしろ…」 僕は無言で… すると男二人の背後に人が現れ… 男二人に棒の様な物で殴りっけ… 「おい!こっちだ逃げるぞ…」 それは一瞬であった。 僕はその男に助けられ… 迷路の路地に入り込んで行った。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加