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「改めて気持ちを言葉にして口にすると、再確認できるし、思いも強くなるよね」
ヤナちゃんの言葉に顔を上げる。オレの国語力では解読しきれてない。それを感じ取ったのか、ヤナちゃんがフワッと花がほころぶような笑顔でオレの方を見た。
「『サッカーが好き』って言葉にして、口にしたら、きっと石原くんの力になるよ」
「そう、なんですか?」
「古文で習ったことない?『言霊』って言葉」
「・・・」
国語苦手人間としては、聞いたことあるようなないような言葉。でもうっすら聞いたことある・・・ような気がしてきた。授業でやったっぽいし。
「頑張ってね。じゃあまた明日」
ヤナちゃんの応援を聞いて、軽く会釈してから部室に向かった。急ぎ足になってしまったのは、赤くなった顔を見られたくないからなのか、サッカーを早くやりたいからなのか、正直なところ分からなかった。
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